・『夜ドラ VRおじさんの初恋』1週間目の感想

放送開始していたのに気がつかなくて途中から観た。VRが実写パートであるという懸念があったが、ナオキの感情がしっかり描かれていて好感度が高い。VRをメインに据えるのではなくて、現実とおじさんの解像度を上げることによって作品世界に引き込んでいくスタイルだ。 人と人とが近づいていくことで生まれる、自分でも知らなかった感情。おれにはほなみが眩しすぎる。その光に憧れる一方で自分自身の影が、嫌な部分が濃くなっていく。だから、これ以上傷つかないように距離を取ろうとする。 4話しか観ていないんだけど、「わかる……わかるよ……その気持ち……」と思ってしまうぐらいには、良い具合に原作の良さを活かしつつ映像向けにアレンジしている。これはVR「おじさん」の初恋なので、おじさん部分の描写に力を入れるのは映像媒体の強みを活かした選択だ。

次の日、一週間分の再放送がやっているので視聴した。 メタバースへの理解の解像度が高く、実写でありながらもVRらしさを感じる演出をしている。人のいないお祭りワールド、チョコバナナ、花火のパーティクルその他諸々の、VR特有の雰囲気が上手く表現されている。実写なのに「VRChatでこのワールドにおれは行ったことがある」と既視感を抱いてしまった。 実写化の出来を懸念していたけれども、上手く映像に落とし込んでいるし原作にない部分の補完もいい。四話のときと同じだけど、「わかる」んだよね。この世界も雰囲気も感情、登場人物の反応の何もかもを、おれは知っているんだ。 問題があるとすれば家族に「あんたもVRでこんなことやってるん?」と聞かれたときにどう答えたらいいか迷うところだ。それはその、うん……。そうだね……。あのときはメンタル死んでたね……としか言いようがない。